【本日の映画】セッション (2014年/米)〜今聡子のつながる映画レビュー
映画『セッション』を見た。
2015年度の第87回アカデミー賞にもノミネートされた作品。
日本人の記憶に新しいのは、トランペット奏者日野皓正が中学生のドラマーに体罰を与えたとする事件。詳細については知らないが音楽の指導というものは時に熾烈なものらしい。神の領域に近づかんとするイカロスの羽が溶けたように、完璧な音楽を得ようとする肉体は傷つくのが宿命か。
作品賞は逃したが、この役で助演男優賞を獲得したのがJ・K・シモンズ。『フォックス・キャッチャー』のマーク・ラファロ、『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のエドワード・ノートンをおさえての受賞。だが文句なし。健全な肉体には健全な魂が宿るというが、マッチョな肉体にはかくも強靭な精神が宿るものか。
私の見た目はこちらのJK(シモンズ氏)に近いですが pic.twitter.com/L9aOmWwAeX
— スイレン@パンデモ (@suiren_16g) 2017年12月4日
ナイーブな生徒を狡猾な話術とパワーでねじ伏せるパワハラ教師。主人公の心がツブれる瞬間が見ていて辛い。
プライドは高いが努力家でもある主人公を演じたアンドリュー・ニーマンも良かった。外見の普通さが良い意味で活きる役者。笑顔のない役だが執念の表現の中に魅力を感じた。
ラストの独奏は圧巻の出色。カメラワークも楽しくラストを盛り上げてくれる。憎しみの果てに訪れる美の邂逅。予想通りでもカタルシスは抜群だ。
セッションは2018年3月現在、netflixで視聴可能。
今聡子のつながる映画レビュー→JKシモンズ繋がりで、次のレビューは『ラ・ラ・ランド』に決定。
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